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4.282018
編集者の私が“アジア雑貨店のマネージャー”に転職したきっかけとそのミニ奮闘記。
30代半ばぐらいから3年半ほど
編集業から離れていたことがある。
何をやっていたかというと、
“アジア雑貨店のマネージャー”。
その直前までの仕事は
雑誌制作企画やクォリティチェックと
スケジューリングのコントロール。
雑誌の売上目標部数を達成し、
ある程度軌道にのったとき
私自身のインプットがアウトプットに追いつかなくなった。
自分がもうスッカラカンになった気がして、
「ここらで休みたい」と誰にも相談せず退職。
しばしぶらぶらとしていたときに
取材で知りあっていたアジア雑貨店のオーナーご夫婦に
「櫻木さん、転職先が決まっていないなら
ウチの2号店を立ち上げてみない?」と声をかけられた。
それにはものすごく驚いた!
だって、私は接客や商売の経験がない。
なのにそうやって声をかけてくださったから。
石橋を叩きまくった結果、
未経験も甚だしいけれども
ありがたくその話を受けて、やってみることに。
店のコンセプト決め
店の物件探し
店名決め
ショップカード、ロゴ案作成
内装のイメージ作り
内装業者とのやりとり
香港・中国へ仕入れ
値付け
売上のこと
サイト案作成
スタッフのマネージング
などなど、すべてがゼロからのスタート。
アジア雑貨といっても土くさいアジアというよりは
ビーズや綺麗な刺繍などを多用した
キラキラしたアジア系の雑貨店をやりたいと。
そのときパワーストーンについても学んだ。
そのコンセプト通りにビーズのミュールやサンダル、
バッグなどを仕入れるために
香港や中国へも数回足を運んだ。
そして、またまたオーナーから「え?」ということを。
「櫻木さん、服やドレスのデザインもしてね」
わ、わ、私がデザイン~???
でも、やってみた。
元々、マオカラーが好きだったので
それはどこか嬉しくもあり。
こういう服が欲しいというのを形にしていった。
和柄のチャイナシャツやアオザイ風シャツ。
羊皮のジャケットやスカート…。
刺繍付きロングドレスなど。
デザインや色、サイズ展開とか
プロから見たら「はぁ?」の世界だろうけれどもやってみた。
中国で縫製されるのだが、
「なんだこりゃ~?」というあきれる事案は日常茶飯事だった。
しかし、自分がデザインしたものが製品となって仕上がってくる喜びはひとしお。
接客業は大変なことがたくさんあると
経験したのもこの仕事を通してだった。
しかし、私は3年半後にこの店をあとにした。
再び、出版業界へフリーランス編集者として戻っていくために。
お客様を店で“待つというスタンス”ではなく
“外へ出ていくスタンス”の仕事がやはり自分には合っているとわかったから。
今はもうこの店は存在しないが
あのときに声をかけてくださった
オーナーご夫婦には本当に感謝している。
誰がこんなド素人に店を一軒任せてくださるだろうか?
それを恩に着せることもなく、
快く私を送り出してくださった。
卓越した「人間力」を感じさせてくれたこのご夫婦とは今も交流が続いている。
ありがたい。
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