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後に失明した画家、祖父・櫻木七二のこと~50回忌に寄せて~

音楽家にとって耳が聞こえなくなること。

画家が失明することは
どれほどの絶望感であるだろうと。
それは、はかり知れません。

今日、2月12日は69歳で亡くなった
画家であり、祖父・櫻木七二(しちじ)の
50回忌の命日です。

私が5歳の時に亡くなり
祖父がどういう人であったかは
少しずつ知ることになります。

1904年生まれの祖父は
鹿児島で師範学校を卒業後、上京。
洋画家 曾宮一念氏、鈴木信太郎氏に師事。

戦前は二科展に6回連続入選を果たしています。

画家としての輝かしい
将来もあったでしょうが
体が弱かった祖母のために
鹿児島に戻り、美術教師として働き始めました。

戦時中は、新聞にスケッチ画と文章を掲載する
前線郷土慰問画家として
満州などに派遣されていたそうです。

私が小さい頃、祖父が歌ってくれた
中国語の歌の一節を覚えています。

その後、少しずつ緑内障で視力が衰え、
1952年(祖父48歳)、完全に失明。

翌年には、東郷青児氏、吉井淳二氏が
発起人の「櫻木七二氏後援会」により
鹿児島市で個展・頒布会が開催されています。

失明後の祖父はどうだったのかというと、
楽焼きや粘土細工、レリーフ制作に打ち込み、
そこからヒントを得たことでリスタート。

それは、段ボールの上に和紙を置き、
描きたいモチーフの型に合わせて虫ピンを置き、
それを頼りに線画を描くという手法です。

色紙、墨絵等に彩色を施すようにもなり
これが斬新だったのか、
当時、けっこう取材されています。

ここから個展も複数回開催。

失明する前の祖父の絵は
カラリストと称されるほど色鮮やかで
祖父には景色がそういう風に見えていたのかと驚きます。

しかし、光を失った後も
独自の手法で描いた絵に暗さはなく
むしろ見る者をあたたかく照らしてくれるようにも感じます。

交通機関も整備されていない100年前、
日本の端っこの鹿児島を飛び出し、
東京で大いに学び、好きなことに打ち込んだ祖父。

戦時中は海外派遣により
違う世界を見ての発見や驚きが
当時の記事から伺えます。

さらに画家としては
致命的な失明に見舞われながら

失明したからこその画法で
制作意欲を取り戻し
最後まで作品作りに取り組んだ
その生きざまに改めて勇気をもらいます。

そして、この祖父の孫であることを
誇りに思います。

トップ画像は、失明した祖父が菊の
花の形を手で確かめている様子。
この写真が好きで仕事部屋に飾っています。

実家にある作品はあまり多くなく、
祖父の作品を持っている方々のご協力を得て、
1997年に編集者の叔父と私とで
祖父の作品集を作り、頒布しました。

以下、祖父の作品を
失明前・後に分けていくつかご紹介いたしますので
ごらんいただけると嬉しいです。

【【失明前の作品】】

★戦前の二科展入選作品
残念ながら原画は戦争で焼失してしまい
当時、モノクロ絵葉書になっていたものを撮影したものです。


★油絵

★色紙に描かれた作品

★ 黒帯に描かれた油絵
お太鼓の部分にくるように描かれた
粋なもの。買い求める方々もいたそうです。

★イラストスケッチ

★墨絵の屏風
自宅葬だった祖母の葬儀、
また法事の際にのみ登場します。

【【失明後の作品】】

★楽焼(電気釜)

★虫ピンを頼りに独自の手法で描いた作品

ご覧いただき誠にありがとうございました!

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櫻木よしこのプロフィール



櫻木よしこ

アラフィフのステージアップコンサルタント、
編集者、終活カウンセラー1級

鹿児島市在住。

編集者歴27年、個人起業初心者コンサル歴4年。

・子育てが終わったので自分のために生きたい。
・今さら何かやる自信がない。
・私の人生何だったの?と思いたくない。

そういう悩みを抱えていたり
今からでも輝きたい・活躍したい、
起業&ライフスタイルのステージアップを
目指したいアラフィフ女性をサポートします。


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