「飲み物も料理に合うものをこちらで
選びますので」と、こちらが選んだ
ワインやソフトドリンクを制止てまで
オーナーシェフが言い放ったひとこと。
まさか帰るときに、あそこまで仏頂面
して我々が帰ることになろうとは…。
初めて訪れたイタリアンレストランは
取材もお断りというお店。いろいろと
リサーチをかけた結果、良さげだった
ので、年に３回しかないグルメ食事会
の場所にふさわしいのではないかと
いうことで、嬉々として出かけた私達。
前回が、
「“会話を邪魔する料理”を繰り広げる
青木のチャイニーズ＠鹿児島」という
大絶賛のお料理だったので、ジャンル
は違えど、今回も期待したのでした。
で、料理はメニューからコースメニュ
ーを選ぼうとしたのですが、これまた
高圧的なシェフのがっつり押しに負け
て“シェフにおまかせ”に。
まあ、でもいかんせん初めてのお店だ
しここまで自信満々、ドリンクまで
コントロールするぐらいだから、
じゃあ、お手並み拝見させてもらおう
じゃないという気分になっていた私達。
しかし、出てきた料理はスターターの
前菜は良しとしても、その後がぐだ
ぐだで、しかも「後でお好みとか苦手
なものとかききにきますね」と言って
いながら聞きにもこないで、ラストまで。
そして、メインが何かこちらから尋ね
ると牛肉とのこと。
シェフがドリンクまでコントロール
するといいながら、何も言ってこない
ので、フランスのカベルネを選んだ
ところ、連絡係のスタッフが「その
ワインは合わないということなので、
イタリアのものをお出しします」だと。
はぁ～？？？　だったら最初からフラ
ンスのカベルネをワインリストに載せ
るなって。
4000円のコースでしたが、どう見積
もっても、かなり甘く点数をつけて
も3000円。
東京のある有名イタリアンレストラン
で“シェフにおまかせ”メニューを
食べたことがあります。お値段もそれ
なりにはりましたが…。
食べられないものを伝えて、あとは、
料理を作りながら客の反応を見つつ、
次の料理について尋ねられたことを思い
出します。そのときのお腹具合とか、
肉よりも魚が食べたいとか、パスタは
ショートバスタがいいとか、お客様に
満足して帰ってもらえるよう、ベスト
を尽くしてくれるのが手にとるように
わかりました。
しかし、シェフからの提案もしっかり
あって、なぜこれを次に出すのかと
いう理由も話してくれたりして。
自分の料理をいかに美味しく食べて
もらうかということに主眼を置き、
シェフ自身は自信にあふれている風貌
でしたが、その料理は絶妙で決して
押しつけがましくなく、お客様ととも
に“シェフにおまかせ”コースという
プロジェクトを双方が笑顔になるよう
完遂することに一所懸命なんだとオー
プンキッチンで料理するシェフを見て
思うことでした。
今回は、高圧的なシェフの態度に一瞬
ひるんで食べてもいないうちから、何
も言えないと口をつぐんでいましたが
次からこういうシェフが現れたら、
こちらも黙ってばかりはいられない。
だってせっかく美味しいものを食べに
きてるんだから、こちらも楽しませて
もらわないと。
食べ物の恨みはおそろしいぞ～。
こんなに長い原稿を書いてしまうのですから。
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編集者・ライター　
上級終活カウンセラー
エンディングノートの書き方講師
　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　櫻木よしこ

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